蚊帳の中の独り言。

青年海外協力隊 2017年度2次隊 トンガ 看護師

サイクロンGITAの備忘録

 

2.12 夜サイクロンがやってきた。

約一週間前の話。なんだか今週はとてつもなく早かった。

 

サイクロンとは?サイクロンの対策は?

 

を前日ネットで日本語で、改めて調べたけど、

まさかの遊戯王の技ばかりが出てきて、短期ボランティアで来てる大学生男子と笑った。笑

彼曰く、サイクロンという結構使える技が遊戯王にはあるらしい……

結果的に、サイクロンは南太平洋で発達した日本でいう台風のようなもの。

要するに、ズワイガニも取れる場所によっては、松葉蟹って呼ばれたり、越前蟹って呼ばれたりするのと同じことらしい。笑

 

でも、日本の台風とは比べものにならないくらい、威力は強かった。

ついに人生で初めて、避難というものをした。

いろいろと食料や衣類など、用意して、ついに避難生活を余儀なくされた。

 

エウア島は、首都から離れた島で現在ボランティアが3名いる。JICA事務所もないので、避難の場所も自分たちで考え行動しなければならなかったし、前日まで避難するかどうかも3人でずっと考えていた。

 

その日はもう朝から避難命令が出された。家にいるなどの選択肢もなかった。木造家屋は風で持ってかれる可能性高いぞと言われる。

 

2.12 14時頃に避難。

活動先は遠いし、何かあってからは遅いのでその日はお休みした。

 

元々安全対策の話とかで、エウアハイという高校がコンクリートで安全であり、避難する話でしたが、

まさかの開いてない。誰一人いない。オフィスも空いていない。

去年の新しくできた教会のホールも開いてない。

となり、教会の地下のようなところにトンガ人も避難していたので一緒に避難させてもらうことに。

 

こいうときこそ開けるべきところが空いてないから、安全意識の低さを感じる……

 トンガ人のキリスト教への信仰心は強いことは知っていたけど、やはり教会がいちばん安全となるのだろうか…

 

 

 でもトンガ人はやはり温かい。

来た瞬間に、このゴザを使いなさい。マットレスはいるか、枕はいるかといろいろ声をかけてくれたり、気にかけてくれるのはありがたい限り。

 

避難所は窓が所々なかったり、閉まらなかったり、本当に安全なのか?!と思ったが、一人でいるかよりまとまっていた方がいいかというくらいだった。

 

夕方になるにつれ、雨風ともに強くなる。

携帯の電波もネットの電波も絶たれ、トンガ人の子供たちと遊んだり、持ってきた食事をとったりして過ごした。

雨風ともにどんどん強くなっていった。

調査員さんからはまだまだこれからと言われ、これでまだまだなのか……と正直しんどかった。

 

20時くらいにトンガ人たちが就寝前のお祈りをしていた。

[ ]

病院でもよく歌われている讃美歌で、意味あるのかなあと思いながら聞いていた。

電気も消え、就寝。

 

21時くらいから風、雨ともに予想通りかなり強くなった。

時折、カッシャーンという窓が割れる音が聞こえたり、ものすごい勢い風が吹き込んできたりしてきた。

トンガ人は何度も「Are you ok?」と声をかけに来てくれたり。自分や自分の家族のことで精一杯だろうに気にかけてくれて、助かった。

 

22時前。急に不気味なくらい雨風が止んだ。

聞いていた話だと2時くらいまでという話だったのに、なぜ。と思っていたら、調整員さんからはちょうど台風の目の中にいるような状態と連絡があった。ああ、ほんとに直撃してるんだという実感だった。

その間にトンガ人たちは窓の補強なども全部してくれて、そして23時頃から再び恐ろしい風や物が割れる音が聞こえ始める。意識が朦朧としながらも恐怖が。

3時前あたりに、ピタリと物音がしなくなった。ああ、終わったんだ。そう、やっと安心して眠りにつけた。

 

2.13

でも朝目覚めると、世界は変わってた。

外を見てみると、全壊している家、屋根が壊れてる家、

あそこのファレコロア(商店)も壊れたよとトンガ人の子供たちも話してきた。

電線は下に落ち、木々も倒れてる。唖然した。自宅が心配になり、見に行くと大家さんが補強してくれたらしく、窓には板が張られ、窓ガラスも割れず無事だった。大家さんの家のガレージの屋根は崩れてたけど。
3人とも家は無事だったので、帰宅。

とりあえず、国際電話で家族には連絡を入れようと思い、わずかながらの電波で連絡。1分程度であったが日本と通話ができた。

でも、ネットはもちろん、電気はつかない。水は出ない。幸いレインタンクという雨水があるので、それを利用し、シャワーを浴びたり、食器をあらったり。ガスも別ルートなので、使えるから、調理は可能であったことは、ほんとに不幸中の幸い。電池式のランプを購入してなかったので、初めてのロウソク生活。電気もつかないから携帯の充電は大事で、必要最低限しか弄れず、kindleがあったので、kindleを読んで時間を潰す。

 

2.14
次の日は活動に行った。家にいてもやることないし、クリニックの日なので、とりあえず行かねばと思い。でもDr.も忙しく、病院も混乱してるからと、クリニックは今週はお休みと同僚からいわれた。でも病院とクリニックは電気が生きていることを知り、感動。
帰宅すると、冷蔵庫の中身がもう危ないことになっており、こんな最中なのに、肉料理とチーズケーキを焼くという。なんだかおかしな感じで。笑


電気がつかないからそれまでに準備しようとあれこれ準備していたら調整員さんから電話があり、水が出るようにもなってるらしいという話を聞き、びっくり。

電話を切った後、試しの電気つけてみたら、え???付くやん!!!!と驚き、感動!!!!!!え、うそ、付く!携帯充電できるじゃん!冷蔵庫使えるじゃん!みたいな!!!!思わず、感動しすぎて、ほかのボランティアに電話してしまうという(笑)水はまだ出なかったけど。

 

2.15

次の日も活動に行った。この日もクリニックは休みだが。クリニックが休みなことを知らずに来た患者さんのキャンセル対応などをしたり。

ふと、ネットはどうかと思い、チャレンジしてみたら、Gmailが届く。え、ネット使える???家に帰り、WiFiを設置したら、いつも通りのネット環境。おおお、ネットが使える!!!!fbなどで知ってくれた訓練所の語学クラスのメンバーや家族、友人などに連絡を返す。ネット使えるって幸せーーーー!!!!

でも、水は出なかった。元々よく断水する家だからそのせいだと思い、あまり気にせず。

昨日作ったチーズケーキを配りに。短期ボランティアの子の家はまだ電気が使えないと。もう一人のJVは電気も水も使えると。家の立地環境によって様々らしい。

 

2.16

活動から帰宅。

水が出たー!!!!!!!!感動!!!!家のライフラインは完全復活を遂げた。

 

予想以上の復旧の速さに現地の方々には頭が上がらない。壊れた家や木なども自分たちで直す。雨の中でも必死で直してる姿を目にした。近所の人たちと助け合う。

これは日本だったらどうだったんだろう...わからないけど、現地の方々は強いなあと改めて思った機会であった。

 

エウアはまだ被害もおそらく少なく、小さい島であるので、復旧が早い方であるが、トンガタプはまだまだらしい。

 

 

サイクロンが落ち着いたら、今度はまた影が薄れてきていた、デング熱が猛威を振るいそうである。

まだ私が住むエウアでは感染者はいないらしいが、私自身、とても蚊に刺されやすいので、注意しないといけないと思う。タプとは距離も近く心配な限りだ。

体力をつけて、対策していかなければならない。

 

今回は、この辺で。

 

 

 

 

 

 

 

 

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